外国に住む日本人の悩み

暦も9月。
秋になると、何となくしんみりとしてしまって思い出を振り返ってしまいます。
今回は、若い時にメキシコを旅行しているときの話しです。
メキシコDFからカンクンへの機内で、日本人らしい年上の女性を見かけた。
たぶん日本人だろうなという雰囲気ですが、持ち物とか化粧が日本人とはかけ離れている。
はっきり言って、派手です。
トイレに立った時、その女性の横を通り過ぎるときに、小さくハポネス?と聞いてみた。
すると、大きな声で、アンタ、日本人ですかって聞くのが普通でしょうと、いきなり説教を食わされた。
少し立ち話をして、自分の席に戻り、その後は会話がなかった。
一回だけ、彼女の方から私の席に来て、ガム持っていないかと聞かれた。
長く高地に住んでいると、低地に降りるときに耳が痛いという。
そのために、いつもガムを持って飛行機に乗るのだが、
あいにく忘れたらしい。
残念ながら、持っていなかったので、会話はすぐに終わった。
飛行機を降りて、バゲージクレームに進む間、少し会話をした。
仕事でしばらくの間、カンクンのホテルに泊まるということである。
私は機内持ち込みだけで旅行していたので、その場で分かれて空港の外に出た。
私もホテルゾーンの片隅のホテルを予約していたので、バスを探したが無いようです。
その代り、10人ほど乗れる乗り合いバスが見つかった。
値段は覚えてないが、百円もしない、タダ同然だったと記憶している。
彼女もひょっとして必要かと思い、ついでに二人分のチケットを購入した。
しばらく待つと、例の彼女が見えたので、
車が見つかったので、一緒に乗って行くかと声をかけてみた。
ちょっと戸惑った顔を見せたが、私と一緒の乗合バスで行くことなった。
ホテルへの道すがら、いろいろ彼女の仕事の内容を聞いた。
メキシコで旦那と一緒に観光会社を経営しているのだが、
今、若いものが出払っているために、
日本からの新婚客を案内する人間がいない。
仕方がないので、自分がそのガイドをする羽目になったという。
新婚旅行の場合、部屋に籠っている時間が長いから、
仕事が楽なので、休養がてらにカンクンに来たという。
私への質問は、今まで行った処の中でどこが良かったかとか、
私の職業などを尋ねてきた。
新婚客がカンクンに到着するまで暇なので、ホテルにチェックインした後、
一緒に食事をする約束となった。
乗合いバスは、先に彼女のホテルに着いた。
私が泊まったことがない豪華ホテルである。
安い乗り合いバスに誘ったことを後悔した。
乗り合いバスにはあまりにも不釣合いのホテルであった。
私の泊まっているホテルの名を伝えて、別れた。
彼女が迎えに来てくれるという。
私が予約していたホテルはホテルゾーンと言えども、場末の場所にあった。
ラグーンの切れ目に橋があるが、その辺と言ったら、行ったことがある人はわかると思う。
私が泊まってきたホテルの中では高級の部類に入るのだが、
彼女のホテルを見た後だけに、貧粗に見えた。
チェックインをした後、部屋からカンクンから移動するときに使う飛行機のリコンファームを終わらせると、
すぐにフロントから連絡が入った。
客が来ているという。
早い。さっき別れたばかりなのに、こんなに早く来るとは思わなかった。
ロビーに降りると、電話でもめていたけど大丈夫と言われた。
確かに、リコンファームに手間取っていた。
航空会社の英語が聞き取れなかった。
仕方ないので、便名と日時、名前を連呼していると、
相手の方からOKという返事が返ってきた。
私の英会話のノウハウは、相手の言葉が分からなくても、
自分の要求を繰り返していると、会話は成立するというものである。
この時もこの方法で切り抜けたのだが、ずっと電話回線が閉じていたので、
フロントはトラブルにあっているを気付いていたようである。
その様子が、彼女に伝わっていた。
食事の場所は、日本人経営の鉄板焼きのレストランであった。
経営者と彼女は古くからの知り合いで、会話の中からその親しさが伺えた。
若い時に彼女の旦那と一緒に旅行をした仲でもあるようであった。
彼女夫婦が経営している旅行社は、メキシコ観光と言い、
長くヒッピー旅行続けた末、落ち着いた先がメキシコであったようである。
彼女の立場は、副社長となる。
メキシコに徐々に日本からの観光客が増えているので、景気がよさそうであった。
ネットで検索すると、まだ存在するようである。
経営者の名前は女性になっている。
私の年より10歳ほど年上であるから、存命である可能性は高い。
もし、彼女を知っている人がいたら、こんなこと書いているブログがあるよと知らせてほしい。
ひょっとしたら思い出してくれるかもしれない。
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食事をしながら、彼女の口から、ビックリする内容が出てきた。
私に、カンクンで現地観光案内の仕事をしないかという。
私の大学の専攻から、遺跡に対する知識は問題ないし、
言葉も慣れれば何とかなるという。
待遇は、10数万円と言う。
やすいなぁと思ったが、その場にいたレストランの経営者は、それだけあればメイドを雇って生活できるという。
さらに、旅行者を土産物屋やレストランに案内するとリベートが入るという。
その金額は馬鹿にできない額と言う。
その場で即答はできなかった。
名刺が渡され、する気になったら連絡をしてくれと言われた。
連絡先は、メキシコDFの会社になっていた。
彼女が、若い私をからかったのかもしれない。
しかし、カンクンにいる間、このことが気になっていた。
この後、二回ほど彼女と会ったが、この話の続きはなかった。
いろいろ考えていても仕方がないので、食事をした鉄板焼きのレストランの経営者を尋ねた。
そして、カンクンに住んでいる感想を聞いてみた。
店に客が少ない時間帯という事もあって、しばらく話をすることができた。
この店の経営のこと、彼女のこと、今の自分の生活の愚痴などが彼から聞くことができた。
私が、彼女にスカウトされていることについても話をした。
あまり詳しく記憶に残っていないが、ひとつ強く記憶に残っているものがある。
それは、彼の日本への望郷の気持ちである。
彼は、毎日、日本から新聞を送ってもらっていたのである。
その費用は月に、約10万円。
それを読むのが彼の一番の楽しみと言う。
そういえば、彼との会話の始まりは、今の日本への質問が続いた。
とにかく、日本の情報に飢えていた。
そして、日本語の会話にも飢えていた。
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今でこそ、インターネットが発達して、いつでも日本の情報に世界中から接することができる。
しかし、彼にあった30年前は、日本の情報をできるだけリアルタイムに知ろうとするなら、
日本から毎日送ってもらう、数日遅れの新聞に頼るしかなかった。
このことだけで、彼女の誘いを断る決心がついた。
いまでも、外国に住むことは大変である。
ブラジルの田舎・・・大きな田舎にすむ友人がいる。
大きな田舎、ブラジルに詳しい方なら何をいっているか分ると思う。
彼は、日本に帰って私に会うと変なことを言う。
旅に出たい。
私からすると、ずっと旅行していると思うのだが、
生活の場は旅行ではないようである。
日本とブラジルの行き帰りは単なる移動ということである。
私がいろいろなところに旅行に行っているのをうらやましいという。
私からすると、ブラジルに住むいうことだけですごいと思うのだが。
そういえば、オーストラリアの市民権を持つ友人も言っていた。
中国を旅したいと。
なかなか、外国に住むと、旅行が大変になるようである。
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メキシコのデジタル写真がないので、オーストラリアの写真を使っております。