昨日のせたメキシコ日記とともに見つけた香港の話。
ハノイに住む友人から、パソコンが壊れたので来てくれとのメールが入った。
夏休みを利用して、急遽、ハノイ行きが決まった時のものである。
しかし、なんのために書いたのかわからない。
この頃は仕事が忙しく、旅行記はやめていた頃である。
さらに、中途半端で終わっている。
でも、懐かしさに変わりがない。
記録に残っていない日々もつられて記憶に戻ってくる。
エアポートエクスプレス
八年ぶりの香港はまず空港で戸惑うこととなった。
空港案内地図を関空で手に入れおいたが、啓徳空港のイメージが強く残っている私には戸惑うことばかりであった。
途中、入国前に喫煙所でニコチン補給をしたのは正解であった。
到着ロビー内で喫煙場所が見つからない。
探しているうちに、エアポートエクスプレスのホームに入ってしまった。
駅員にチケットを買う場所を尋ねるに、列車に乗れとジェスチャーをする。
一応若干の香港ドルは両替所で手に入れているので、列車内で買うことにするが、出発後も一向にその気配もない。
それにしても、静かな車内である。
揺れもなくすべるように進んでいく。
途中、沙田駅に停車する。
この付近はお見事と言いたくなるほど、ペンシル状のマンションがニョキニョキ建っている。
人口にして100万近くの人がこの周辺に住むという。
当然ショッピング街もそれと対応して、かなりの規模と聞いている。
建物の作りは、北回帰線より赤道に近いため、日当たりはあまり考えないようである。
日本のように縦長ではなくペンシル状に立てているのは、セキュリティと換気のためと思われる。
住宅費用の高い香港のことであるから、この駅の近くのマンションだと3LDKで五千万円とは言わないであろう。
中心地まで二十分そこそこであるから最高のロケーションである。
住んでいる人もそれなりの人と考えられる。
香港の勢いを感じさせられ、香港の中心の変貌の期待が膨らむこととなった。
この駅の次は九龍駅である。
ホテルはハイアットリージェンシー香港に予約を入れているので、ここで降りることとなる。
結局切符は精算所で買うこととなった。
駅は大きなショッピングセンターを併設しているようであるが、とりあえずタクシー乗り場に急ぐ。
タクシー乗り場の列の前は二人の子連れ日本人家族であった。
子供たちの会話からして、日本に帰省して戻ってきたようである。
彼らにとって、国境を越えて移動した感覚は薄いである。
しきりに家の帰宅時間を気にしていた。
好きなテレビ番組でもあるのだろう。
尖沙咀雑感
ホテルをハイアットリージェンシー香港を選択したのは正解であった。
香港滞在中ほとんど雨である。
テレビでは五十年ぶりの洪水のニュースが繰り返えされている。
そもそも香港ではベトナムビザを取るための滞在であるから、予定は立てていない。
HIS香港を訪ねビザを頼むと後はすることがなくなった。
することがないからホテル付近をぶらつくことだけである。
しかし、あいにくの雨、さらに一人旅である。
レストランに入るにも一人では味気ない。
到着した夜は点心の盛り合わせと焼きそばをルームサービスで頼み、これをつまみに缶ビールで時間をつぶすが、なかなか時間はなくならない。
気分転換にホテル周辺を歩き回り、いろいろな店を冷やかしているうちに、あることに気が付いた。
それは私が日本人だと見分けられていることである。
自慢ではないが、私の顔は中国人顔である。
口ひげを生やすとそれに磨きがかかる。
ということは服装が日本人の特徴を表している様である。
そこで、ホテルから出るたびに服装を変えてみた。
まずは短パンTシャツは日本人となる。
ホテルの近くのビラ捲きのおじさんが私にだけサウナの広告を渡す。
次はスラックスにポロシャツにするがやはり日本人と分かるようである。
街を歩いている人を観察することにした。
私にもはっきり分かった。
男性だけでなく、女性も日本人の区別がつく。
偽者時計のオジサンもちゃんと日本語で声をかけていく。
明日の目的ができた。
見かけだけ香港人になりきってみる事である。
目標ができたので、ホテルのバーに移動した。
カウンターに座り、誰か隣に座れば話し相手を求めたが、客の入りはまばらで目的をはたすことにはならなかった。
写真は最近のものです
一泊一万円ほどでハイアットに泊まれた20年前の話でした