チャオプラヤ、昔の私はメナム川と習った。
メナムとは川という意味である。
タイに来たヨーロッパの旅人が、
チャオプラヤを指して、名前を聞いた。
その時、これはメナムだと答えたため、
長い間、チャオプラヤはメナムであった。
バンコクの町は、チャオプラヤ川の右岸が栄えていた。
今、バンコクの中心は左岸に移った。
川の左岸、右岸は、海に向かって右手側が右岸、左手側が左岸という。
さしずめ、チャオプラヤの右岸、西側が旧市街、
左岸、東側が新市街というところであろうか。
昨日一日中、旧市街を歩いた。
バスにも乗った。
バスの運転手はたまたまののか、全て年寄りだった。
車掌もである。
70位の爺さん運転手の足は裸足であり、
大きく広がった左足ががっちりクラッチを握っていた。
足で握るとは変な言葉だが、
手のひらならむ、足ひらで、
クラッチを握っているのである。
足の指が手の指のように動いていた。
ギアを切り替えるたびに、足の平がクラシックを掴む。
その動きが面白く、
降りる停留所を乗り過ごしそうになったくらいである。
カミさんと二人で食堂に入った。
子供達は疲れているようなのでホテルで留守番である。
子供達がいると食べれないものを頼んだ。
ホルモンの煮込ラーメンというものであろうか、
鶏肉の内臓や足をよく煮込んで、その出汁と共に麺を食べるものである。
見かけは悪い。
しかし、今までの経験からこれは美味しいと判断した。
食べてみると、味がレバーや脚にしみ込んでうまい。
豚足煮込みの鳥版というものである。
脚のゼラチンがプルプルです。
スープは肉うどんに似ています。
食べ終わると、店主が話しかけてきた。
言葉は分からないが感想を聞いているようである。
あまり外国人が入る店ではないようである。
うまい、美味しかったです
と、日本語で答えると話が通じたようで、
満面の笑顔を返してくれた。
ここに来て、やっと旅が始まったようである。
しかし、もう帰る日が迫っている。
子供を連れての旅には制限がある。
どうしても安全を優先させている自分がいる。
なかなか悩ましいところです。